令和6年1月4日岸田内閣総理大臣記者会見終了後の書面による質問に対する回答

【東京新聞】
 総理の派閥離脱の理由及び複数の党幹部が派閥の会長を務めていることの適切性について

(回答)
 自民党の各政策集団の活動、ひいては自民党の政治活動に政治資金の観点から厳しい目が向けられ、国民から疑念を持たれるような事態を招いていることは、極めて遺憾であり、党としても、強い危機感をもって、一致結束して対応する必要があります。
 このようなことから、少なくとも私(岸田自民党総裁)については、特定の政策集団の立場を超えて党の先頭に立って一連の問題に対応していくため、自民党総裁の任にある間は、特定の政策集団から離れることとしたものです。
 自民党の政治刷新本部においては、特定の政策集団に所属している党幹部も議論に参画していますが、私が先頭に立つとともに、政治改革を求める国民の皆様の声も反映されるよう、外部有識者の参加も得て、透明性の高い形で検討を進めることとしており、政治刷新本部の議論を進めるに当たって問題があるとは考えておりません。

【中国新聞】
 政治資金規正法の改正の必要性の認識について

(回答)
 政治の信頼回復のため、政治資金パーティーの資金の流れをより適正化するための取組が必要であると認識しています。
 政治資金規正法の在り方については、議員活動の在り方にも密接に関わることから、各党各会派での議論が必要ですが、政治資金パーティーに関する一連の問題の原因、課題等を踏まえ、国民の信頼回復の観点から必要があれば、自民党としても、当然、こうした議論にしっかりと貢献し、必要な改革に積極的に対応してまいります。

【テレビ東京】
 官邸の危機管理態勢として内閣危機管理監の不在が問題なかったかについて

(回答)
 村田内閣危機管理監は、体調不良のため、12月26日から1月3日までの間、入院していたところですが、入院中の事態発生に備えて、あらかじめ、事態対処・危機管理担当の鈴木副長官補が万全の態勢で準備しており、令和6年能登半島地震や、羽田空港における航空機事故に際し、政府の危機管理態勢に問題があったとは考えておりません。

【文化放送】
政策活動費や旧文通費の使途公開について

(回答)
 いわゆる「政治と金」の問題に関し、国民の皆様から様々な厳しい声をいただいていることについては、謙虚に受け止めなければならないと考えています。
 国民の信頼回復のために取り組むべき事項については、事態の全容、原因、課題等を踏まえた実効あるものとすることが重要であると考えますが、自民党の政治刷新本部においては、政治改革を求める国民の皆様の声も反映されるよう、外部有識者の参加も得て、透明性の高い形で検討を進めてまいります。

【CBCテレビ】
 過疎地域における今後の災害対策について

(回答)
 今般の地震災害は、三方を海に囲まれ、山地が多く、幹線交通体系から離れているなど地理的制約のある半島で発生し、交通ネットワークが遮断されたことにより、被害状況の把握、被災地へのアクセスにも困難が生じました。
 これまでに、自衛隊、警察、消防等を最大限に動員して、人命救助に取り組むとともに、物資の輸送、インフラの復旧、避難所の環境整備等に全力で対応してきたところです。
 今後、適切なタイミングで今回の災害対応で出た課題を振り返り、教訓とすべき事項については今後の対策に活(い)かしていきたいと考えています。

【信濃毎日新聞】
 不登校、引きこもり、能登半島地震の中で大学入学共通テストなど、様々な困難を抱えている子ども・若者にも希望の持てる社会に向けた所見について

(回答)
 こども・若者の抱える困難に寄り添った対応が必要であり、具体的には、不登校について校内教育支援センターの設置促進など緊急対策を進め、引きこもりについては、こどもや若者が安心して過ごせる居場所づくりなどの支援を進めます。
 また、能登半島地震については、大学入学共通テストの特例を講じますが、さらに、こどもの安全安心を第一にしながら、子供の学びの継続に留意し、学校の早期再開ができるよう、自治体と協力し取り組みます。
 様々な困難を抱えているこども・若者に必要な施策を進め、こども・若者が希望を持てる社会を実現します。

【ドワンゴ】
 能登半島地震を踏まえた2025年大阪・関西万博の中止・延期等に関する考え方について

(回答)
 政府としては、プッシュ型の物資支援を一層強化するため、1月9日に予備費の閣議決定を行いました。予算の制約により災害対応を躊躇(ちゅうちょ)することがあってはならず、今後とも、残額が4,600億円を超えている令和5年度一般予備費を活用し、臨機応変に切れ目のない財政面での対応を講じていきます。
 また、この今年度予備費の活用とあわせ、令和6年度予算案についても、予備費の増額を行い、切れ目なく機動的な震災対応を行えるようにします。16日に変更の決定を行なった予算案を国会に提出し、一日も早い成立を目指してまいります。
 その上で、大阪・関西万博については、実質的に「コロナ後」で初となる万博として、世界中の人々が直接参加し、交流を深め、課題解決に向けて共に行動する契機として、意義あるものと承知しています。
 ともすれば「内向き」となりがちな時代において、世界と交流を深め、日本の魅力を世界に向けて発信する絶好の機会として、各地で行うイベントとの連携や、万博を機に、外国人観光客に全国の観光地にも訪問してもらえるような仕組み作りなどを進めていきたいと考えています。
 費用については、私として、会場建設費の更なる増額を認めるつもりはないことは、申し上げてきたとおりです。
 そして、会場建設費や運営費等、万博の主要な費用については、博覧会協会を管理監督する経済産業省において、外部専門家の知見も活用し、その適正性を継続的にモニタリングしていくため、費用点検の有識者委員会を新たに設置することとしており、近く開始すると聞いています。斎藤経済産業大臣の下で、自見万博担当大臣とも連携しつつ、計画との乖離(かいり)が生じないようにするため、厳格にチェックしていくこととなります。
 被災者の皆様は、冬季の厳しい環境の中、長引く避難生活をされており、大変厳しい状況に置かれています。復興に影響が出ないようにすることは大変重要であり、しっかりと対応していきたいと思います。
 5日には、時間のかかる住まいの確保対策に早期に着手するべく、住家の応急危険度の判定や被害認定の調査を速やかに進める一方、仮設住宅と災害公営住宅を必要数建設できるよう準備を指示したほか、
 7日には、被災者が生活や生業(なりわい)の再建に専念できる環境を早期に構築するべく、運転免許証や飲食店営業許可の有効期間延長などの措置を講ずるため、今般の災害を「特定非常災害」に指定すること、
 8日には、公共土木・農地等の災害復旧事業の補助率嵩上げ(かさあげ)、中小企業の災害関係保証の特例等について、地域を限定しない激甚災害、「本激」の指定することを表明し、
 11日には、特定非常災害及び激甚災害への指定を完了するなど、被災地の復旧・復興に向け、迅速な対応をすすめてまいりました。
 今後も、ライフラインやインフラの復旧、被災者の支援や生業の再建に、政府を挙げて取り組んでまいります。

【犬飼淳氏(フリーランス)】
 地震大国である日本における原発再稼働の考え方について

(回答)
 志賀原発については、先般、原子力規制委員会が開催され、今般の地震による原子力施設への影響および対応について審議されましたが、原子力施設の安全に課題はなく、また、その他の原子力発電所についても、発電所の安全確保に影響のある問題は生じていないとされたと承知しています。
 なお、志賀原発については、規制委員会が、「新規制基準」への適合性審査を行っているところですが、今後、今般の地震による知見も追加的に考慮して、厳正に審査が行われることになるものと承知しています。
 いずれにせよ、原発の再稼働については、高い独立性を有する原子力規制委員会が、福島第一原子力発電所の事故を踏まえて策定した「新規制基準」に適合すると認めた場合のみ、地元の理解を得ながら再稼働を進める、という政府方針に変わりはありません。

【江川紹子氏(フリーランス)】
 党総裁としての「政治とカネ」に関する事実関係の調査・検証の考えについて

(回答)
 国民の信頼回復のための具体的な方策については、実効あるものとするためにも、事態の全容、原因、課題等を明らかにした上で、それを踏まえたものとすることが重要であると考えており、外部有識者の参加も得て、透明性の高い形で検討を進めてまいります。

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